近年では災害復興の観点からもその重要性が増している地籍調査は、市町村が主体となって土地の所有者や地番、境界、面積などを調査・測量し、最新の地図(地籍図)と簿冊(地籍簿)を作成する事業だ。
そんな地籍調査に半世紀以上携わってきたのが、徳島市に本社を置き全国に事業所を展開する『株式会社 松本コンサルタント』。時代の変化に応じて新しい技術を活かしながら、業界のパイオニアとして高い評価を得てきた。
国土調査法に基づき行われる地籍調査。
災害復旧の迅速化や土地取引の円滑化、境界トラブルの未然防止、課税の適正化などに必要となる。
地籍調査のスペシャリストとして培った高い測量技術は、道路や河川の計画・建設・維持修繕・管理などの基礎資料を得るため、多様なフィールドでも応用されている。
さらに測量との連携を活かした設計の分野でも、都市計画や農業土木、橋梁などの社会インフラに精度の高い専門的な技術サービスを提供。現在は「空間情報コンサルタント」として事業を拡大しながら、地域の豊かな暮らしを創造している。
橋梁の設計や維持管理のための点検なども業務のひとつ。調査・測量の技術は社会インフラの整備に活かされている。
社員の幸せと社会への恩返し
設計課・主任の松尾 征紀さん(29歳)は大学の工学部・建設工学科で構造力学などの基礎を学び、スキルを活かせる職場を求めて入社した。
「就職説明会で3Dレーザースキャナやドローンなどの新技術に力を入れているということを知り、自分も学んでみたいと思いました。今は社会インフラの整備に関わる建設コンサルタントとして、道路や橋梁などの施工に必要な設計図書の作成を担当しています。
最初はCAD(コンピュータを用いて製図を行うツール)の操作や専門用語、各種基準を学ぶのに戸惑うこともありましたが、先輩方が丁寧に教えてくれました」。
社会インフラの整備という自らの仕事が、少しでも世の中の役に立てばとモチベーションは高い。
「住人の要請で以前からあった町道に安全のため歩道を新設する道路改良の設計に携わりました。完成した後はプライベートで通ることもあり、自分の仕事が目に見える成果としてカタチになるというのは嬉しいですね」。
今後の目標を聞くと迷いのない答えが返ってきた。
「まだまだ半人前ですが、難しい仕事でも学びながらスキルアップしてやり遂げた時の達成感は格別です。今後は高度な資格を有する管理技術者を目指して、責任ある立場で業務を進めていけるようになりたい」。
入社7年目の松尾さん。現在は仕事に励みながら技術士の資格取得にむけて勉強に励む日々を送っている。
公共事業を主な生業とする『松本コンサルタント』は、社会に役立つ仕事のみならず継続的に地域貢献活動も行なっている。総務課係長の森口 浩史さん(32歳)の言葉には、取り組みに対するまっすぐな想いがにじむ。
「自分たちが当たり前に仕事をできているのは地域のおかげ。事業においても地域の方々の協力は欠かせないので、仕事以外でも社会貢献して恩返しをしていきたい。感謝の気持ちを忘れずに、河川敷の清掃や美化活動を行うアドプトプログラムや道路の清掃、ボランティア活動にも積極的に参画しています」。
「積極・奉仕・感謝」の社是を体現し、社会貢献活動も意欲的に実施している。
また同社では社員が仕事と家庭の両立を図りながら、安心して働くことのできる職場環境づくりにも注力。子育て支援にも手厚く、例えば男女の育児休業取得率は100%だ。その取り組みは国からも評価され、厚生労働省が高い水準の子育て支援企業を認定する「プラチナくるみん」にも中四国で初めて選ばれた。
働き方改革にも取り組み「プラチナくるみん」認定企業に。
多様な価値観とライフスタイルを持つ社員のワークライフバランスも大切にしている。
森口さんは今後を担う新たな人材に期待を寄せる。
「技術で成長してきた会社ではありますが、その技術を扱うのは人間。当たり前のことが当たり前にできる人材育成を目指し、人間力の向上にも注力しています。仕事の知識は経験を積むと得られるものなので、最初からできる必要はありません。仕事で社会貢献したいという前向きなやる気のある人と一緒に働きたいですね」。
2児のパパでもあり育休も取得した森口さん。自身のように「文系出身でも貢献できる仕事がある」と胸を張る。
未来へ繋がる豊かな社会基盤を下支えするのは、今日まで培った技術と人間力だ。
地域に寄り添い、発展をともに目指すその足あとは、これからも新しい地図に刻まれていく。