1989年の創業以来、橋梁や公園など公共インフラの保守設計を中心に事業を展開してきた『株式会社エフ設計コンサルタント』。現在は約30名の社員が在籍しそのうち約3割を女性社員が占め、女性の割合も多い。
手がける業務は橋梁の修繕設計や道路施設の維持管理計画、公園の再整備など、地域の基盤になるものである。近年は住民との関わりを持ちながら進めるプロジェクトも増え、行政からの発注業務のサポートなど、役割の幅も広がっている。
さらに、整備された施設や事業の成果を検証するための利用状況分析やデータ調査にも携わるなどインフラ整備のその後の未来にまで見据えた業務にも取り組んでいる。
小松東公園、小松北公園、旭野公園と隣接する道路の設計
徳島県全域をフィールドに地域に根付く企業
業務の多くは、徳島県や県内自治体からの依頼によるもの。徳島市や阿南市をはじめ、県内各地の公共事業に関わっている。
案件の約9割が県内の業務という点も大きな特徴だ。地域に根ざした企業として長年積み重ねてきた実績が、自治体からの信頼にもつながっている。地域の課題や特性を理解したうえで設計業務を行えることは、地元企業ならではの強みである。日々の仕事を通じて、地域の暮らしを支えるインフラづくりに関わっている。
また、働き方の面でも柔軟な制度を取り入れている。在宅勤務やテレワーク制度を導入しており、通勤距離が長い社員にとっては大きなメリットとなっている。急な気候条件の変化や家庭の事情などにも対応できる体制が整っており、社員の状況に応じた働き方が可能。
テレワーク制度が広く知られるようになったのはコロナ禍以降だが、エフ設計では15年ほど前から制度を導入していたという。
社員の働きやすさを重視した環境づくりは、以前から会社として大切にしてきた考え方でもある。社員一人ひとりの状況を尊重しながら働き方を柔軟に整える。そんな企業姿勢が、長く働き続けられる環境を支えている。
地域活性化プロジェクトにも積極的に参画
公共インフラの設計業務にとどまらず、地域活性化に関わるプロジェクトにも関わっている。
阿波おどり会館前の駐車場再整備計画や、眉山公園の活性化計画などにも携わり、地域の魅力向上につながる取り組みに参加してきた。
これらのプロジェクトでは、施設の利用状況調査や利用者の意識調査といった社会実験にも関わる。データをもとにした分析を通して、地域の観光や魅力向上に貢献している点も特徴の一つだ。
社員に聞く、仕事のやりがいと会社の魅力
設計2部設計3課 係長 佐和 慧さん(39歳/入社15年)
橋梁の修繕設計や公共・都市下水に関する設計業務を中心に担当。
徳島県庁前の歩道橋リニューアルなど、地域インフラの設計にも携わっている。
この仕事のやりがいは、案件を一貫して担当できる環境にあるという。入社後、経験を積みながら業務の流れや全体像が見えてくることが、大きな面白さにつながっている。
特に、道路改良の設計に携わった際に地元の方から感謝の言葉をもらったことは印象に残る出来事の一つで、この仕事をしていて良かったと感じた。
現在は若手社員と現場に同行しながら指導役も務めている。後輩には「闇雲に調べるのではなく、考え方や勉強の方法を身につけてほしい」と話し、質問しやすい雰囲気づくりを大切にしているという。
納期のプレッシャーや品質への責任も大きい仕事だが、「自分たちの仕事が社会の役に立っている」という思いが日々の支えになっている。
「災害に強い国づくりにも関わる大切な仕事。社会を守るインフラに興味がある人には、ぜひ一緒に働きたい」と笑顔で話された。
設計2部システム企画課 新矢 直士さん(28歳/入社5年)
機械工学を学んでいたことから建設業界との親和性を感じたことに加え、会社の雰囲気の良さも入社の決め手になったという。現在はシステム企画課に所属し、社内業務の効率化につながるシステムの企画・提案、社内システムの運用・管理などを担当。建設コンサルタント会社としては珍しいシステム開発の役割を担い、現場データの処理などにも関わっている。
これまでに担当した開発の一つが、点検業務のデジタル化だ。タブレットPCを使って現場で点検結果を入力し、そのデータを社内に取り込むことで写真台帳や報告書が自動作成される仕組みを構築。業務の効率化に大きく貢献している。
現在は生成AIの導入にも取り組んでおり、「一年以内には社内で活用できる環境を整えたい」と新たな挑戦も進めている。
業務内容は多岐にわたり、同じ作業の繰り返しではない点も魅力の一つ。基準がない新しい分野に取り組む難しさもあるが、提案から実装まで関われることにやりがいを感じているという。
「入社してからはコミュニケーション力や提案力も身につきました。とにかく会社の雰囲気が良く、働きやすい環境です」と話す新矢さん。
今後はシステム提案の幅をさらに広げ、建設コンサルタントの技術者として、そしてシステム開発者としての両面から会社を支えていきたいと考えている。
新矢さんが携わった点検業務のデジタル化は、現場で実際に活用されている。
設計1部設計1課 係長 川田 香奈子さん(32歳/入社11年)
阿南高専で建設分野を学び、就職活動をしていた当時は女性が建設業界に入ることがまだ珍しい時代だったという。そんな中、縁があって『株式会社エフ設計コンサルタント』に入社した。右も左も分からない状態からのスタートだったが、入社後に実務を通して学べる環境の中で経験を積んできた。
現在は、道路や河川、公園などの整備に関わる計画業務を担当。地域の賑わいづくりにつながるプロジェクトにも携わり、都市計画業務では行政を通じて寄せられた住民の声を踏まえ、計画に反映させるなど、市民の声と行政の計画をつなぐ役割も担っている。
また、技術職として、様々な現地調査を通じて地域の課題や現地の実情に直接触れ、現場での経験も重ねてきた。
仕事のやりがいは、発注者や地域住民の意見を取り入れながら計画を形にしていく「過程」にあるという。そうした検討を積み重ねてきたことが、地域の暮らしに自然と溶け込み、日常を支える存在になっていると感じられる瞬間に、技術者としての喜びを感じるそうだ。
現在は1歳と6歳の子どもを育て、家庭と仕事を両立しながら働いている。技術職としての業務と家庭を両立する難しさもあるが、時短勤務制度や在宅勤務制度など社員の働き方を支える制度が整っており、柔軟な働き方ができる点も会社の魅力だという。
さらに、上司や職場の仲間の理解とサポートにも日々支えられており、安心して働ける環境が整っているという。
また今後の目標は、「これまで育ててもらった会社への恩返しとして技術士資格を取得すること、そして発注者から信頼される技術者として成長していきたい」と話すその言葉には、仕事への前向きな思いが込められている。