1969年に地質調査業者として美馬市脇町で創業し、道路・河川・橋梁・砂防など社会資本の整備を手がける『株式会社 エス・ビー・シー』。企画・設計・調査・施工・維持管理までを一貫して行う建設部門のトータルソリューション企業として、未来のまちづくりに貢献している。
半世紀を越えて確かな実績を重ね信頼を築いてきた結果、担う事業は全国へと拡大。地質調査部門では石川県能登半島の復旧に関わり、リニアモーターカー計画路線での大規模な調査にも参画している。
リニアモーターカーの路線が計画されている長野県の中央アルプスでも地質調査を実施。
リニア関連の調査に携わるのは全国から選ばれた約10社の企業のみ。大きなプロジェクトの一翼を担うことになった経緯には、企業として独自の進化をとげてきた強みが仄見える。
「もともと地質調査の会社として生まれて、施工も行う業者は全国でも珍しい。地質調査の作業を行う人間が施工機械も使えるという、万能なオペレーターが育つ環境があったんです。専門の機械を使って専門の調査を行なえるのは、控えめに言っても全国でトップクラスだと思います」。
そう話すのは代表の木村 充宏社長だ。創業から社員みんなが活躍できる環境を育んできた結果、全国から必要とされる企業へ成長を遂げたと胸を張る。
会社が求める人材は「失敗を恐れない人。堂々と失敗できる人」だと語る木村社長。挑戦し続けることは企業理念にも掲げられている。
革新を生む最新技術への飽くなきチャレンジ
蓄積した知見を礎に挑戦し続ける企業姿勢は、最新機材の導入や新技術の積極的な開発にも色濃く滲む。全国に先駆けて自社で構築したメタバースもその一つで、木村社長も新たな可能性に期待を寄せている。
「現実世界を反映したメタバースで建物などを再現して、その中をアバターと呼ばれるキャラクターに歩かせる。例えば町の再開発の場合、ある場所にビルを建てるとどのような景色になるのか。歩行者の目線で日影がどこにできるかなど、季節や天候の変化でどのような日照時間になるかが検討できる。バーチャル体験することで、モノを創る前に問題を解消できるんです」。
事前にメタバースでシミュレーションを行うことにより、完成後の問題点を改修するコストなども軽減できるそうだ。
規模の大きいものから、ビルの防犯カメラの設置場所検討などにも使われるというメタバース。
メタバースの導入もきっかけは社員の「こんな技術があるけど使えないか」という一言から。木村社長は社員からの提案には「とりあえずやってみようとほとんどOKする」そうだ。
約20年前に東京から当時経営がひっ迫していた会社に戻り、最初に取り組んだのはマネジメントシステムを構築して仕事をトップダウンではなく組織化して行うことだったという。
代表に就いてからは、未経験者や文系出身でも安心して学べる『資格取得勉強会』や、若手社員のリーダーシップ能力の育成を目的とする「若手の会」、中途採用者がこれまでの経験をフィードバックする「リンクスミーティング」などの様々な機会を設けた。
動画を使った5分程度の授業マニュアル[eラーニング]も自作して活用し、
業務の手順や資格取得を効率的に支援するサポートも充実している。
またさらなる成長を支える新たな人材を求めてインターンシップにも積極的に取り組み、過去にはその内容が評価されて全国の名だたる企業の中から[インターンシップアワード]にも入賞。前回は美馬市脇町の“うだつの町並み”をメタバース化するプロジェクトを学生とともに実施したそうで、その内容を語る代表の表情も自然とほころぶ。
「タブレットの中にメタバース化された“うだつの町並み”があって、それを持って実際に現地を歩きながら落ちているヒントを得てクイズに答えるというプログラムです。町の歴史を知ってもらいながら観光も楽しめて、バーチャルとリアルを同時に体験してもらう」。
それは運営する社員にも学びがあり、オープンカンパニーの枠を超えて地域の観光振興にも寄与する類を見ない内容で、参加した24人の学生にも大好評だったという。
地元の“うだつの町並み”をバーチャルとリアルで同時体験するインターンシップ。
クイズで得たゲームクーポンを使って実際に食事もできるというお楽しみも。
つねに新たなことに挑戦し続ける姿勢がブースターとなって成長を遂げた『エス・ビー・シー』。地域にしっかりと根を張り、若い力を育みながら未来へ繋がるその歩みはさらに加速していく。
「予想の斜め上を行く会社にしていきたい」と語る木村社長。今後のさらなる成長に期待が膨らむ。