1964年、徳島県内で唯一の材料試験場として創業した『株式会社環境防災』。鉄やコンクリートなどの材料試験を主にスタートし、その後は地質調査、環境計量、建設コンサルタントと事業領域を広げてきた。現在では「環境」と「防災」の二つの分野を軸に、地域社会の安全を支える技術企業として歩みを続けている。
中でも強みとして挙げられるのが、材料試験と環境調査の分野だ。水質や地質の調査をはじめとする環境関連の業務では、民間企業や自治体からの依頼も多く全体の三割以上を占めているという。
地域に密着した調査や分析を通して、社会基盤の安全性や環境保全に大きく貢献している。
材料試験や環境調査など多様な技術で地域の安全を支える。
技術を磨き続ける会社の取り組み
研究開発への取り組みも特色の一つ。徳島大学と共同で土やコンクリートに関する研究を行うなど、技術向上への姿勢は強い。社員自らが研究論文を発表する機会も多く、毎年2〜3名が学会へ参加しているという。こうした活動の背景には、技術力の向上だけでなく社員の成長意欲を高めたいという思いがある。入社後も工学的な知識を学べる環境や資格取得のサポート体制が整えられており、技術者として成長できる土壌が用意されている。
さらに社内では、年に一度「業務成果報告会」を開催。社員全員が業務内容や課題、解決方法などを共有し、失敗事例も含めて振り返る場となっている。十年以上前から続くこの取り組みは、組織として学び続ける姿勢を象徴するものだ。
代表の野上 和彦社長は、社員へこう語りかける。
「物事を常に想像しなさい」。
単に決められた通りに業務を進めるのではなく、考え、仮定し、より良い提案へとつなげる。発注者と建設業者の間に立つ建設コンサルタントの役割は、冷静な視点で最善の選択を導くことにある。地域環境と深く関わる企業だからこそ、その役割は重要だ。
さらに野上社長は就任後、約100名の社員全員と直接面談を行ったという。仕事の悩みや思いを一人ひとりから聞き取り職場環境の改善やモチベーション向上につなげている。
社員の声に耳を傾ける姿勢からは人材を大切にする企業文化がうかがえた。
人を育て、支える風土
社内の雰囲気は堅苦しさがなく、家族的な温かさがあるという。上下関係はありながらも先輩後輩の垣根は低く、互いに相談しながら仕事を進める風土が根付いている。
また社員の約三割が女性で、二つの部署では女性がリーダーを務めているなど、女性が活躍できる環境も整っている。こうした取り組みが評価され、女性が働きやすい職場づくりに取り組む企業として厚生労働省の認定制度「えるぼし」の最高評価(三段階目)を取得している。
性別に関係なく多様な人材が活躍できる職場づくりを進めることで、社員一人ひとりが力を発揮できる組織を目指している。
現場で活躍する社員インタビュー
調査保全徳島グループ徳島チーム 大和 竜太郎さん(25歳 入社3年目)
大学時代は「マイクロプラスチック」をテーマに研究するなど環境分野に関心を持ち、地元の環境に関わる仕事がしたいという思いから新卒で入社した。
現在は橋梁の点検・保守・設計に関わる業務を担当し、主に社内で資料作成を行いながら、現場では橋梁の点検業務にも携わっている。自分が関わった橋を通勤時に実際に通ることもあり、「地元に貢献していることを実感できる瞬間がやりがいです」と話す。
入社当初は点検業務の中で急なトラブルへの対応に戸惑うこともあったが、上司の指導を受けながら経験を重ね、少しずつ判断力や対応力を身につけてきた。現在は言われたことをこなすだけでなく、業務の流れを理解しながら全体を管理して進められるようになったと自身の成長を感じている。
今後の目標は、現場を一人で任される技術者になること。自分で考え判断しながら業務を進められるよう、日々経験を積み重ねている。
調査保全徳島グループ徳島チーム 竹橋 こころさん(20歳 入社2年目)
高校時代は土木の専門学科で学び、先生の紹介をきっかけに『株式会社環境防災』を知った。学校で学んできた知識を活かせる仕事だと感じ、会社見学で業務内容や職場の雰囲気に触れたことが入社の決め手となった。
現在は先輩の大和さんと現場に同行しながら、橋梁の点検や保守設計に関わる業務に携わっている。分からないことは先輩に教えてもらいながら経験を重ねている。
保守設計では図面作成を担当することもあり、現場で計測した数値との微調整に苦労することもあるが、それでも悩みながら完成させた図面をもとに工事が進んでいく様子を間近で見たとき、大きな達成感を感じると話す。
今後は上司への質問を減らし、自分で考えて行動できる技術者になることが目標。
今年入社する新卒社員のお手本となれるよう、さらなる成長を目指している。
調査保全徳島グループ徳島チーム 井上 怜嗣さん(22歳 入社2年目)
在学中に企業説明会で『株式会社環境防災』を知ったことがきっかけだった。もともと設計分野に興味があり、学校ではコンクリートの研究にも取り組んでいたという。自分が学んできた知識を活かせやりたかった仕事と感じ、入社を決意した。
入社後は設計から点検業務まで幅広い業務に携わっている。現場ごとに仕事内容が異なるため、最初は戸惑うこともあったが、先輩社員のサポートを受けながら経験を積んできた。
やりがいを感じたのは、入社1年目に担当した用水路の設計業務だという。現在その工事が完成に近づいており、現場を確認する中で自分が作成した図面通りに工事が進んでいる様子を見ると、自分の仕事が形になっていることを実感できたという。
最近では、指示されたことをこなすだけでなく、現場ごとに必要な作業を考えながら一歩先を見据えて行動できるようになった。
今後は技術士の資格取得を目標に、さらなる成長を目指している。
地域に根ざした企業として
環境防災では地域との関わりも大切にしている。社員全員で行う国道の清掃活動など、ボランティア活動にも積極的に取り組んでおり、こうした活動を通して地域社会とのつながりを深めてきた。
また、野上社長は今後について「地域にどれだけ貢献できるかが重要」と語る。環境や防災に関わる仕事は、地域の安全や暮らしを支える社会的な役割を担うもの。だからこそ企業としての成長だけでなく、地域社会とともに歩んでいくことを大切にしているという。
地域に寄り添いながら、環境と防災の分野で社会に貢献していく。その歩みは、これからの次世代へも受け継がれていく。